09 Heavenly Kiss (Hedonist's Hardcore Remix) レビュー

うねるエレキギターと哀愁のメロディーが巧みに絡んだ『Hyper→Highspeed→Genius』主題歌「Heavenly Kiss」。この曲のリミックスが9番目に登場します。

このハードなロックナンバー「Heavenly Kiss」のリミックスを担当したのは実力派クリエーターとして活躍するHedonist。
『ULTRA RELOAD Vol.2 feat. AQUAPLUS』収録の「まじかる☆アンティーク」オープニングテーマ曲「Littlestone」のリミックスでは煌びやかなダンス・ポップチューンを披露しましたHedonist、今作ではオンリーワンとも言えるオリジナリティー溢れるHardcoreに仕上げました。

スクラッチ音と共にスタートするHeavenly Kiss (Hedonist's Hardcore Remix)、重く鳴るキックを響かせ、徐々に上がって行くメロディーで高めたところで0:25からいきなりブレイクに入ります。
ここで、うねるシンセが登場し、途中からブレイクビ―ツも加わり、ワイルドに迫る世界が出現します。
そして、0:50からボーカルがスタートすると同時にハードなDubstepのベースとサウンドが炸裂、激しさがさらに増していきます。
一旦ハードな世界を提示した後、1:05からは一転してリズムとベースで引っ張って行く疾走展開へとスイッチ。
音数を少なくしてストイックな空気を生み出した後、徐々に音を足していき、1:17からはピアノの調べで空気を一旦和ませた上で、1:33からの歌のサビと共にうねるシンセを伴ったハードなサウンドで一気に持って行きます。
うねるシンセとハードなリズム、その中にボーカルが加わり、ワイルドさと儚さの両方を巧みに表現したサウンドが広がります。
2:12からは歌の2番に入りますが、1番の勢いを持続したサウンドワークで一気に駆け抜けて行きます。
このまま最後まで突っ走ると思ったところ、3:06からこのリミックスの最大の見せ場とも言える凶悪なDubstepサウンドが出現。
ここまで見せてきた儚さとは裏腹にひたすらワイルドな世界に、心臓の鼓動が一気に高まります。
さらに、その直後3:30からチェンバロの繊細な音色が織りなす儚い空間へとスイッチした後、「Heavenly Kiss!」のフレーズと共に全開サウンドがほとばしり、クライマックスへと突き進んで行きます。

オリジナル・バージョンのハードな世界観を凶悪なDubstepで、そして切ないテイストを綺麗な旋律で表現したHeavenly Kiss (Hedonist's Hardcore Remix)、二つの相反する要素を一つの作品の中に閉じ込め見事に完成させた、Hedonistの高度な匠を感じとってみて下さい。